2026年9月8日早朝、南フランスのカニュ・シュール・メールにあるルノワール美術館(Musée Renoir)で盗難事件が発生したと、フランスの各メディアが報じています。
事件の概要について(9月8日昼時点・フランス時間)
二人組の犯人は、ルノワール美術館に展示されていた4点の絵画を盗難して逃走。5時48分に美術館の警報器が作動し、5分以内に警察が現場に駆けつけました。市の防犯カメラに写っていた犯人組は盗難品4点のうち2点を美術館の庭園に残して逃げ去ったと、カニュ・シュール・メール市のブライアン・マソン市長(RN)が発表しています。
盗まれた美術品の詳細については、現時点ではフランスの主要報道機関でも情報が出そろっていません。市長によると、盗まれた作品の被害額は約900万ユーロと見積もられています。(9月8日昼(フランス時間))
フランス文化省によるセキュリティ強化策
今回の事件は、2025年10月に発生したルーヴル美術館の盗難事件以来、フランスの美術館におけるセキュリティ強化が進められるなかで発生しました。
フランス文化省は今年7月、文化財を保管・展示する施設の安全性向上のため、33項目からなる安全対策を発表しています。
その中には、盗難のリスクが高い作品について、展示方法の安全性が確保されるまで適切な保管場所へ移すことや、施設の安全対策の強化、職員への研修、警察・憲兵隊との連携強化などが盛り込まれています。
このような対策が進められるなかで起きた今回の事件について、今後の捜査によって、犯行の手口や美術館側の警備体制など、さらに詳しい状況が明らかになることを待ちたいと思います。

ルノワール美術館(Musée Renoir)とは?
ルノワール美術館は、印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール (1841-1919年)が晩年を過ごしたカニュ・シュール・メールに所在する邸宅を利用した美術館です。1960年に開館し、ルノワールによる絵画や彫刻、家具、身の回りの品などを所蔵・展示しています。ルノワールが使用したイーゼル、車椅子などの家具、写真、自筆の手紙も展示されています。

リウマチを患っていたルノワールは、医師の勧めに従い気候が温暖な南フランスに移り住み、1907年にオリーブの木が生え茂る農園だった「レ・コレット(Les Collettes)」の土地を購入しました。そして、その地に建てられた後期プロバンス風の邸宅は、水道、電気、暖房が整備され、当時としては大変快適な居住空間だったといわれています。邸宅内には、二つのアトリエが作られ、庭にもアトリエが設けられました。
若き彫刻家リシャール・ギノ(Richard Guino)との共同作品が生まれたのも、この邸宅でした。ギノは、ギリシャ神話やルノワールの絵画モデルをもとにブロンズや石膏で彫刻を作成しました。ルノワールの絵画世界を立体的に表現したようなギノの彫刻作品は、現在この美術館で鑑賞することができます。
1919年にルノワールがこの家で亡くなると、残された家族の所有となりましたが、末息子のクロードの時代にカニュ・シュール・メール市に売却され、1960年美術館として開館しました。

ルノワール美術館の基本情報
パリからの行き方
飛行機の場合
パリシャルル・ド・ゴール空港(CDG)またはオルリー空港(ORY)より、飛行機でコート・ダジュール空港へ。飛行時間は約1時間30分です。
空港からカニュ・シュール・メールのルノワール美術館まではタクシーで約15分です。
鉄道の場合
パリ・リヨン駅からTGV INOUIでアンティーブ(Antibes)へ。乗車時間は約5時間20分です。
アンティーブ駅でTERに乗り換え、カニュ・シュール・メール(Cagnes-sur-Mer)駅まで約8分です。
カニュ・シュール・メール(Cagnes-sur-Mer)駅から美術館までは約1.5キロ、タクシーで約9分です。
| 所在地 |
| 19 Chemin des Collettes, 06800 Cagnes-sur-Mer, Provence-Alpes-Côte-d’Azur |
| 公式サイト |
| https://musees.cagnes.fr/musee-renoir/ |
| チケット情報 |
| 6ユーロ(大人) / 26歳未満無料 |





