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南仏のルノワール美術館で盗難事件が発生|作品2点が被害に

最終更新日: 2026-10-13

2026年9月8日早朝、南フランスのカニュ・シュール・メールにあるルノワール美術館(Musée Renoir)で盗難事件が発生したと、フランスの各メディアが報じています。

事件の概要について(9月8日昼時点・フランス時間)

二人組の犯人は、ルノワール美術館に展示されていた4点の絵画を盗難して逃走。5時48分に美術館の警報器が作動し、5分以内に警察が現場に駆けつけました。市の防犯カメラに写っていた犯人組は盗難品4点のうち2点を美術館の庭園に残して逃げ去ったと、カニュ・シュール・メール市のブライアン・マソン市長(RN)が発表しています。

盗まれた美術品の詳細については、現時点ではフランスの主要報道機関でも情報が出そろっていません。市長によると、盗まれた作品の被害額は約900万ユーロと見積もられています。(9月8日昼(フランス時間))

【続報】盗まれた絵画2点が発見される(10月10日追記)

事件から約1か月後の2026年10月9日、行方が分からなくなっていたルノワールの絵画2点が発見されたと報じられました。見つかったのは、《マダム・コロンナ・ロマーノ(Madame Colonna Romano)》と《井戸のそばの若い女性(Jeune femme au puits)》です。

また、事件に関連して6人が逮捕されたと報じられています。絵画の発見によって、今回盗まれた4点すべての所在が確認されました。

発見された絵画はいつ再公開されるのか

発見された2点はいずれも、パリのオルセー美術館からルノワール美術館に貸し出されていた作品で、MNR(Musées nationaux récupération)という特別な位置づけにあります。

MNRとは、第二次世界大戦後にドイツなどからフランスへ戻された美術品のうち、正当な所有者への返還が確認されていない作品などを、国立美術館の管理下に置いたものです。これらの作品は、来歴や所有者の調査が続けられ、正当な所有者やその相続人が確認された場合には返還の対象となります。

とりわけ《井戸のそばの若い女性(Jeune Femme au puits)》については、ナチス占領下で略奪された美術品の返還問題に関連し、アウシュビッツで亡くなった画商ヤドヴィガ・ザックの相続人から依頼を受けたMondex社が返還請求を進めていると報じられています。

一方、発見された2点がいつ再び一般公開されるのかは、現時点では明らかになっていません。

参考

https://www.connaissancedesarts.com/artistes/pierre-renoir/un-immense-soulagement-les-deux-tableaux-de-renoir-voles-a-cagnes-sur-mer-ont-ete-retrouves-un-mois-apres-le-cambriolage-11217107

フランス文化省によるセキュリティ強化策

今回の事件は、2025年10月に発生したルーヴル美術館の盗難事件以来、フランスの美術館におけるセキュリティ強化が進められるなかで発生しました。

フランス文化省は今年7月、文化財を保管・展示する施設の安全性向上のため、33項目からなる安全対策を発表しています。

その中には、盗難のリスクが高い作品について、展示方法の安全性が確保されるまで適切な保管場所へ移すことや、施設の安全対策の強化、職員への研修、警察・憲兵隊との連携強化などが盛り込まれています。

事件から約1ヶ月後、盗まれた絵画2点が発見され、事件は大きな進展を見せました。一方で、犯行の詳しい経緯や背景については、今後の捜査の進展が注目されます。

ルノワール美術館(Musée Renoir)とは?

ルノワール美術館は、印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール (1841-1919年)が晩年を過ごしたカニュ・シュール・メールに所在する邸宅を利用した美術館です。1960年に開館し、ルノワールによる絵画や彫刻、家具、身の回りの品などを所蔵・展示しています。ルノワールが使用したイーゼル、車椅子などの家具、写真、自筆の手紙も展示されています。

ルノワールが使用していたイーゼル

リウマチを患っていたルノワールは、医師の勧めに従い気候が温暖な南フランスに移り住み、1907年にオリーブの木が生え茂る農園だった「レ・コレット(Les Collettes)」の土地を購入しました。そして、その地に建てられた後期プロバンス風の邸宅は、水道、電気、暖房が整備され、当時としては大変快適な居住空間だったといわれています。邸宅内には、二つのアトリエが作られ、庭にもアトリエが設けられました。

若き彫刻家リシャール・ギノ(Richard Guino)との共同作品が生まれたのも、この邸宅でした。ギノは、ギリシャ神話やルノワールの絵画モデルをもとにブロンズや石膏で彫刻を作成しました。ルノワールの絵画世界を立体的に表現したようなギノの彫刻作品は、この美術館で鑑賞することができます。

1919年にルノワールがこの家で亡くなると、残された家族の所有となりましたが、末息子のクロードの時代にカニュ・シュール・メール市に売却され、1960年美術館として開館しました。

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ルノワール美術館の基本情報

パリからの行き方

飛行機の場合

パリシャルル・ド・ゴール空港(CDG)またはオルリー空港(ORY)より、飛行機でコート・ダジュール空港へ。飛行時間は約1時間30分です。

空港からカニュ・シュール・メールのルノワール美術館まではタクシーで約15分です。

鉄道の場合

パリ・リヨン駅からTGV INOUIでアンティーブ(Antibes)へ。乗車時間は約5時間20分です。

アンティーブ駅でTERに乗り換え、カニュ・シュール・メール(Cagnes-sur-Mer)駅まで約8分です。

カニュ・シュール・メール(Cagnes-sur-Mer)駅から美術館までは約1.5キロ、タクシーで約9分です。

所在地
19 Chemin des Collettes, 06800 Cagnes-sur-Mer, Provence-Alpes-Côte-d’Azur
公式サイト
https://musees.cagnes.fr/musee-renoir/
チケット情報
6ユーロ(大人) / 26歳未満無料

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参考資料

https://www.lemonde.fr/societe/article/2026/09/08/le-musee-renoir-a-cagnes-sur-mer-cambriole-trois-oeuvres-derobees_6768126_3224.html

https://musees.cagnes.fr/musee-renoir/

https://www.franceinfo.fr/culture/contre-les-vols-dans-les-musees-les-objets-les-plus-vulnerables-doivent-etre-mis-a-l-abri-annonce-le-ministere-de-la-culture_8124344.html

当ブログ執筆者池上まい画像
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