クロード・モネ没後100年記念|2026年後半フランスで開催される注目の展覧会4選

印象派を代表する画家クロード・モネが亡くなったのは1926年12月5日。2026年は、その没後100年という大きな節目の年にあたります。

フランスではこれを記念し、モネゆかりの地であるパリやノルマンディー地方を中心に、約100の展覧会や文化イベントが開催されています。2026年も後半に入りましたが、まだ訪れることのできる展覧会が数多く開催されています。

この記事では、2026年後半から冬にかけて開催される数々の特別展の中から、4つの展覧会を厳選してご紹介します。これからフランス旅行や美術館巡りを予定している方は、ぜひ参考にしてください。

パリで開催されるモネ没後100年記念展

オランジュリー美術館 「Monet, peindre le temps」(モネ、時を描く)

開催期間 : 2026年9月30日〜2027年1月25日まで

オランジュリー美術館では、モネ作品と「時間」との関係をテーマにした特別展「Monet, peindre le temps (モネ、時を描く)」(*公式美術館サイトでの名称)が開催されます。オルセー美術館とマルモッタン・モネ美術館の所蔵作品を中心に、国内外の公私コレクションから集められた約40点の油彩画が展示される予定です。

モネは1870年代より印象派を代表する画家として、屋外制作を積極的に行い、移ろいゆく時間の一瞬を素早い筆致で描き出しました。

また、19世紀ヨーロッパでは、近代化とともに鉄道が発達し、短時間で長距離移動が可能になった時代。鉄道駅には公共時計が設置され、それまでの「時間」や「時刻」の感覚が変化し始めた時代です。

1890年頃からモネは《積みわら》(1888〜1891年)、《エプト川のポプラ並木》(1891〜1892年)、《セーヌ川の朝》(1896〜1897年)、そして《ルーアン大聖堂》(1892〜1898年)などの代表的な連作を制作し、一日の異なる時間帯に移り変わる光や大気の表情を描き分けました。モネが亡くなる1926年まで描き続けた『睡蓮』の連作では、同じ睡蓮という題材を250点もの作品に残しました。

この展覧会では、産業革命や近代化によって変化した「時間」の感覚を出発点に、印象派が描いた「瞬間」、連作による「時間の断片化」、そして《睡蓮》が表現する「持続」という時間の概念を通して、モネ芸術を新たな視点から読み解きます。

オルセー美術館とマルモッタン・モネ美術館を中心に集められる約40点の作品とは、どのような構成となるのか、そして「時間」というテーマがそれらの作品とどのように結び付けられているのかにも注目したいところです。

Musée d’Orangerie (オランジュリー美術館)

📍場所 : Jardin des Tuileries, 75001 Paris

「Monet, peindre le temps (モネ、時を描く)

公式サイト・チケット購入 : https://www.musee-orangerie.fr/en/whats-on/exhibitions/monet-painting-time

大人料金: 12,50€ (常設展・特別展共通料金)

展覧会とあわせて楽しみたい没後100年記念イベント

オランジュリー美術館では、特別展「Monet, peindre le temps」に合わせて、VR(バーチャルリアリティ)体験「Claude Monet, au fil de l'eau」も開催されます。
VRヘッドセットを装着し、セーヌ川からジヴェルニーの水の庭園まで、約50年にわたるモネの創作の歩みを、水をテーマにたどる約20分の没入型プログラムです。案内役は、義理の娘で画家仲間でもあったブランシュ・オシュデと、親友のジョルジュ・クレマンソーという設定になっており、科学監修のもとで制作されています。

ちなみに、このVR体験は8歳以上から参加可能(推奨年齢は13歳以上)です。
料金: 一人一律7ユーロ *美術館入場料には含まれません。特別展も見学される場合は、19,50ユーロ(大人)、7,00€(子供18歳未満)となります。

マルモッタン・モネ美術館 「Histoires de paysages – De Monet à Hockney」(風景画の歴史 – モネ〜ホックニーまで)

開催期間 : 2026年9月24日〜2027年1月31日まで

マルモッタン・モネ美術館

一方、モネ作品の所蔵数最多を誇るマルモッタン・モネ美術館では、上記オランジュリー美術館での特別展と時期を合わせ、「風景」をテーマにした特別展「Histoires de paysages – De Monet à Hockney」(風景画の歴史 – モネからホックニーまで)が開催されます。

この展覧会は、「モネ没後100年記念展」の一環ではあるものの、印象派やモネ作品そのものを中心に紹介する展覧会ではありません。モネからホックニーまで、およそ130年にわたる風景表現の変遷をたどりながら、20世紀から現代にかけて風景画が歴史とどのように関わってきたのかを探ります。絵画に加え、写真、映像、彫刻などの多様な近代〜現代作品が展示されます。

展示は、1918年11月11日の第一次大戦休戦協定締結の翌日に、クロード・モネがフランス政府へ《睡蓮》2点を寄贈した出来事から始まり、風景画が戦争や記憶、国家、環境といったテーマをどのように映し出してきたのかを、11の章立てでたどる構成です。

現時点では出品作品の詳細は公表されておらず、どのような作品によって「風景と歴史」の関係が描かれるのかにも注目です。

Musée Marmottan Monet (マルモッタン・モネ美術館)

📍場所 : 2 rue Louis Boilly, 75016 Paris

「Histoires de paysages – De Monet à Hockney」(風景画の歴史 – モネからホックニーまで)

公式サイト・チケット購入 : https://www.marmottan.fr/en/expositions/histories-of-landscape/

大人料金: 14,50€ (常設展・特別展共通料金)

7歳未満: 無料

💡マルモッタン・モネ美術館についてもっと詳しく知るにはこちらをチェック

ノルマンディー地方で開催されるモネ関連展覧会

アンドレ・マルロー近代美術館「Monet au Havre」(ル・アーヴルのモネ)

📍ル・アーヴル 📅 開催期間 : 2026年6月5日〜9月27日まで

1840年にパリで生まれ、5歳の時に叔母の住む港町ル・アーヴルへ家族に連れられて移住したクロード・モネ。10代の頃から、カリカチュアやデッサンで頭角を表し、ウジェーヌ・ブーダンと出会ってからは画家としての道を本格的に歩み始めました。

ル・アーヴルのアンドレ・マルロー近代美術館で開催されている特別展「Monet au Havre」(ル・アーヴルのモネ)では、ル・アーヴルとパリで過ごした約30年間という、印象派画家クロード・モネの形成期に焦点を当てた構成となっています。

展示されている約100点に及ぶ作品や資料は、国内外の主要な美術館・博物館や個人コレクションからの絵画、モネのスケッチ帳、歴史資料、そして数多くの家族写真などで構成されています。

晩年の《睡蓮》の連作に注目が集まりがちな中、少年時代のクロッキーや初期の油彩画の数々に加え、個人所蔵のため一般公開される機会の少ない《父アドルフ・モネの肖像》も必見です。

Musée d’art moderne André Malraux (アンドレ・マルロー近代美術館)

📍場所 : 2, bd Clemenceau, 76600 Le Havre

「ル・アーヴルのモネ」公式サイト・チケット購入 : https://www.muma-lehavre.fr/en/exhibitions/monet-le-havre

レ・フランシスケーヌ「Claude Monet, des jardins en héritage」(クロード・モネ──受け継がれる庭園)

📍ドーヴィル 📅開催期間 : 2026年7月11日〜11月1日まで

ドーヴィルにあるレ・フランシスケーヌは、19世紀後半に建てられた修道院を改修して2021年に誕生した複合文化施設です。そこでは、モネ没後100年を記念して企画された特別展「Claude Monet, des jardins en héritage」(クロード・モネ──受け継がれる庭園)が開催されています。

この展覧会では、モネから影響を受け、同じく庭園や色彩、光に魅力を見出してきた現代作家たちの作品をモネ作品とともに展示し、モネの感性が今も世界各地で受け継がれていることを紹介しています。

展示作品は、オルセー美術館をはじめ、マルモッタン・モネ美術館、ドルー美術館、サン=テティエンヌ美術館、アラブ世界研究所などから特別に貸し出された作品となっています。

Les Franciscaines (レ・フランシスケーヌ)

📍場所 : 145 b, avenue de la République, 14800 Deauville

「クロード・モネ──受け継がれる庭園」公式サイト・チケット購入 : https://lesfranciscaines.fr/en/node/2405

まとめ

モネ没後100年記念の展覧会について、2026年後半に開催されるおすすめの4展覧会をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

モネ作品を数多く鑑賞したい方には、オランジュリー美術館の「モネ、時を描く」展や、アンドレ・マルロー近代美術館の「ル・アーヴルのモネ」展がおすすめです。一方、現代美術にも興味のある方には、マルモッタン・モネ美術館で開催される「風景画の歴史 ― モネからホックニーまで」展も見逃せません。

2026年後半フランス旅行を予定中の方は、モネが生涯を通して追い求めた光や色彩の世界を、この記念の年ならではの展覧会を通して味わってみてはいかがでしょうか。

この記事が、皆さんのフランス旅行や美術館巡りの参考になれば幸いです。

当ブログ執筆者池上まい画像
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