今回の『街角アート』は、パリ16区のパッシーという地区で偶然出会ったこの美しい建物。下の写真真ん中に見える建物です。
遠くから見ても、他のオスマニアン様式の建物とは少し違う雰囲気を漂わせていませんか?

陶器で覆われたアール・ヌーヴォー建築
この建物は 1903年完成のアール・ヌーヴォー建築。
外壁全体を覆う黄土色とアーモンドグリーンの装飾は、じつは陶製タイルなんです。
アール・ヌーヴォーと聞くと鉄や木の曲線装飾を思い浮かべますが、陶器が用いられているなんてちょっと驚きでした。
この時代の建築家たちは、新しい素材と技術で都市景観に革命をもたらしていたそうです。
コンクール受賞と映画ロケ地
この建物は、完成した年のパリ市ファサード・コンクール受賞作品。
公式に「美しい建築」と認められた作品です。
近年はフランス映画の撮影にも使われている、知る人ぞ知るロケ地だそうです。

Monument historique に登録
また、1986年にフランス政府によりMonument historique(歴史的建造物)に指定。
文化財としても正式に保護されています。
装飾の主役は「アザミ」
この建物の最大の特徴は、外壁に施されたアザミ(chardon)のモチーフ。植物の曲線的なフォルムがアール・ヌーヴォー建築と見事に調和しています。
こちらの動画では装飾の細部もご覧いただけます。↙️ BGMも自分で選曲したので、ぜひ音をオンにしてご覧くださいね!
✨ 建築のポイントまとめ
・建築家シャルル・クラン(Charles Klein)による1903年完成のアール・ヌーヴォー建築
・同年パリ市ファサードコンクール受賞作品
・陶芸家エミール・ミュラー(Émile Muller)による陶製装飾
・「Grès flammé(グレ・フラメ)」という焼成ストーンウェア技法を使用
・建物名「レ・シャルドン(アザミ)」を象徴する装飾
・外側を陶器、内側を鉄筋コンクリートで構成する二重壁構造
📍 アクセス情報
名称:Immeuble Les Chardons(レ・シャルドン館)
🏛️「レ・シャルドン」はフランス語でアザミ🌿
住所:Paris 16e, 2 rue Eugène Manuel(9 rue Claude Chahuとの角の建物)
指定:Monument historique(歴史的建造物)1986年登録
まとめ
陶器の温かみと建築の機能性が見事に融合した、パリのアール・ヌーヴォー建築の傑作「レ・シャルドン」💎
もし街歩きの途中で出会ったら、ぜひ足を止めて見上げてみてください。
100年以上前の美意識が、今も静かに息づいているなんて、素晴らしいですね。
