「ルノワールと愛」展 : 『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』(1876年)制作150周年記念
オルセー美術館で7月19日まで開催中の「ルノワールと愛」展は、印象派コレクションの傑作『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』(1876年)の制作150周年を記念する企画展です。

(出典: Public domain Q)
この展覧会では、ルノワールの初期20年間(1865年〜1885年)に焦点を当て、「近代生活の情景」をテーマに、フランス国外からのコレクションを含む約50点が一堂に会する貴重な機会です。
ルノワールは、1870年代、マネ、モネ、モリゾ、ドガ、カイユボットらと共に、印象派の誕生に深く関わりました。
しかし彼の作品が他の印象派と一線を画すのは、色彩豊かで喜びに満ちた場面を主題とし続けた点かもしれません。描かれる人物達の「愛に満ちた」表情、柔らかい光と温かな色彩…。それらには、観る者の心を自然と幸せな気持ちにさせる不思議な力があるように感じました。
ルノワールはこう語っています。
絵画が喜びに満ちたままで、しかも偉大な芸術となりうると理解してもらうのは難しいことを、私はよく知っている
また、こんな言葉も残しています。
人生には不快なことが多いのに、なぜ絵まで不快にしなければならないのか。絵は楽しく、美しいものでなければならない
18世紀ロココの巨匠ヴァトー、ブーシェ、フラゴナールの熱心な崇拝者だったルノワール。「雅宴画(フェート・ギャラント)」の雰囲気を19世紀絵画に蘇らせたのは、彼自身の画家としての生き方を映し出しているかのようです。
また、パリでこれほどの規模のルノワール回顧展が開かれるのは、1985年のグラン・パレ展以来、実に40年ぶりのこと。見逃せませんね!

(出典: Public domain Q)
注目作品
- 『ラ・グルヌイエール』(1869年、ストックホルム国立美術館)
- 『雨傘』(1881-1885年、ロンドン・ナショナル・ギャラリー)
- 『散歩』(1870年、ゲッティ美術館)
- 『ブージヴァルのダンス』(1883年、ボストン美術館)
- 『舟遊びの昼食』(1880-1881年、ワシントンD.C.・フィリップス・コレクション)
「ルノワールと愛」展|見学後の感想
ルノワール初期20年間の作品約50点を集めた展覧会といえど、1880年代以降、デッサンを重視する古典主義的な画風へと変わっていく過程も鑑賞できる興味深い機会でした。
特に印象的だったのは、『雨傘』。(ロンドン・ナショナル・ギャラリーで20年ほど前に観たはずなのに…。)筆のタッチも目立たず控えめで、今まで観てきたルノワール作品とは異なり少し意外でした。
ルノワール作品50点を一度に鑑賞するチャンスは本当に貴重。この時期、パリにいらっしゃる方は、是非足を運んでみてください。

(出典: Public domain Q)
「ルノワール・デッサン」展、同時開催中(7/5まで)
この展覧会では、世界各地から集められた素描、絵画制作のための習作、パステル画、版画など紙作品が約100点展示されています。
注目される点は、ルノワールの卓越した「赤チョーク技法」です。特に、最後の展示室に展示されているピカソが所有していた赤チョーク作品は必見です。
「ルノワールと愛」展チケット情報
🔍 常設展の入場券で、今回の「ルノワールと愛」展と「ルノワール・デッサン」展両方とも見学可能です。
公式サイトによると、これらの特別展に行かれる場合は、『日付と時間指定の入場券』を事前に予約することが推奨されています。時間指定のない入場券では、当日の混み具合によっては特別展に入れない可能性があるそうです。
オルセー美術館チケット情報については、こちらの記事を参考にしてください🔍

オルセー美術館周辺のマップ
🔍オルセー美術館については、こちらの記事も参考にしてくださいね

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