秋も深さを増し10月に入りました。マロニエの木の実がたくさん落ちている様子は、パリの秋の風物詩。そして、秋といえば、読書の秋ですね。
今回は、この秋に電子書籍で購入した、美術史を学ぶうえで興味深かった本をご紹介します。西洋美術史の流れをあらためて学びたい方や、近代西洋絵画史、特に19世紀以降の美術に興味のある方におすすめしたい本です。
西洋史・美術史を初めて学び始める方、学び直したい方への1冊
『西洋美術史入門』(ちくまプリマー新書) – 池上英洋著
西洋美術史を初めて学ぶ方や、基礎から学び直したい方に向けた一冊です。
美術史家で大学教授の池上英洋氏が、大学1年生向けの講義「西洋美術史Ⅰ」をダイジェスト版としてまとめた本です。そのためか、年代順の美術史解説に入る前に、絵画を読み解くためのポイントに多くのページが割かれています。
現代の感覚に慣れた私たちの視点を、その時代の社会背景や思想へと切り替え、美術鑑賞の感度を高めてくれる一冊です。
同書の実践編では、入門編からさらに踏み込み、エジプト美術から現代絵画までを解説しています。
西洋美術史の流れを大きくつかむ1冊
『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』- 木村泰司著

タイトルに「ビジネスエリート」とありますが、ビジネスエリートでなくても、教養として知っておきたい内容がわかりやすくまとめられています。
入門書という位置付けではないのですが、古代芸術から現代アートまで、年代順にその時代の社会的、歴史的背景の解説が豊富で、教養としての西洋美術史を学びたいという方向けの一冊です。
近代絵画への転換を見る
『カラー版 近代絵画史 増補版(上) ロマン主義、印象派、ゴッホ』- 高階秀爾著

国立西洋美術館館長や大原美術館館長などを務めた、美術史学者の高階秀爾氏による一冊です。
西洋美術史の大きな流れを学んだうえで、19世紀以降の近代絵画史について、さらに理解を深めたい方におすすめです。
ロマン主義から印象派、ゴッホへと至る流れを、その前後の美術の動きとあわせて理解することで、近代絵画がどのように変化していったのかが見えてきます。
『カラー版 近代絵画史 増補版(下) 世紀末絵画、ピカソ、シュルレアリスム』- 高階秀爾著
「印象派」をもっと深く知りたい方へ
『印象派の歴史 上』- ジョン・リウォルド著

近代絵画のなかでも、特に印象派について理解を深めたい方に向けた一冊です。上巻では、1855年のパリ万国博覧会から1873年までの時期が扱われています。
この本の特徴は、印象派の画家たちの活動や人間関係、彼らを取り巻く出来事が、時間の流れに沿って描かれていることです。読み進めていくと、美術史の本でありながら、まるで小説を読んでいるような感覚になります。そこが、この本の面白いところだと思います。
『印象派の歴史 下』- ジョン・リウォルド著
絵画を見るために「歴史」を知る
『名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語』- 中野京子著

ブルボン王朝にまつわる12の絵画を通して、フランス王朝の歴史を読み解く一冊です。
物語を読むような筆致で、絵画に描かれた人物やその背景にある歴史が紹介されており、思わず引き込まれます。絵画を入り口にヨーロッパ史への理解も深まり、歴史を知ることが作品鑑賞の面白さにつながると感じさせてくれる本です。この本を読んで、益々ヨーロッパ史が好きになりました。
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まとめ
美術史を学ぶと、作品そのものだけでなく、描かれた時代の社会や歴史、画家たちの交流にも目が向くようになります。
一枚の絵をきっかけに、その時代についてもっと知りたくなる。そして、実際に美術館で作品と向き合ったとき、それまで気づかなかったことが見えてくる。そんな楽しみも、美術史を学ぶ魅力のひとつではないでしょうか。
今回は、この秋に購入した美術史関連の本をご紹介しました。まだ読み進めている本もありますが、これからも本を通して知識を深めながら、美術館での作品鑑賞を楽しんでいきたいと思います。
皆さんも、ご自身の興味に合った一冊を見つけてみてはいかがでしょうか。

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