モネの描いたこの2点の作品。パリの窓という窓から幾つものトリコロール(三色旗)がはためく何とも賑やかな光景を、同じくらいの高さから眺めた『見下ろしの構図』で描いた、とてもよく似た作品です。
フランス革命記念日(7月14日)を描いたもの?と思われるかもしれませんが、実際は「平和と労働の日」の祝祭を描いたものなのです。


この『1878年6月30日の祭典』シリーズは、同年5月1日に開幕した第3回パリ万博の一環として行われたもの。1870年の普仏戦争の敗北、そして翌年の『パリ・コミューン』の痛手からのフランスの“復活”を世界に示す意味が込められていたそうです。
まだ不安定だった第三共和政を、国民の祝祭によって後押しする、そんな政治的な意味もあったようです。
ちなみに、フランス革命記念日(7月14日)が正式にフランスの国民の祝日となったのは、この絵が描かれた2年後の1880年のこと。
モネはこのにぎわいを、群衆の中からではなく、窓から静かに眺める視点で描いています。
1878年の夏、37歳だったモネはパリに滞在していました。
「旗が好きだったんです」とモネは語っています。「6月30日の最初の国民の祝日、私はモントルグイユ通りを歩いていました。通りは非常に華やかに飾られ、人であふれていました。ふとバルコニーが目に入り、上がって行ったのです……」
これら2作品は、翌1879年に開催された第4回印象派展に出品されました。
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わたしの見方
印象派らしい細かな素早いタッチで表現された、風にはためく三色旗。
じっと見ていると、本当に旗が動いているような、不思議な感覚になります。
また、縦長のキャンバスに描くことで、通りの奥行きがうまく強調されています。
この祝祭の雰囲気、現代でいう「この日とばかりにスマホで記念写真を撮る」感じに、ちょっと似ている気がします。
モネも、19世紀のパリで同じようなワクワク感で、この光景を描いたのでしょうか。
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🖼 《モントルグイユ通り 1878年6月30日の祭典》クロード・モネ
ⓒMusée d’Orsay(オルセー美術館蔵)
🖼 《サン・ドゥニ通り 1878年6月30日の祭典》クロード・モネ
ⓒMusée des Beaux-Arts de Rouen (ルーアン美術館蔵)
参考資料
Chantal GEORGEL, « 30 juin 1878, une fête « vraiment nationale », Histoire par l’image [en ligne], consulté le 20/07/2025.
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